骨粗鬆症

待合室に骨折リスクの計算機を設置しています。

これはFRAXといい、患者さんの骨折リスクを評価するために、WHOが開発したツールです。 これは個々の患者さんをベースにしており、臨床上の危険因子ならびに大腿骨頸部の骨密度(BMD)を組み合わせてリスクを計算しています。このFRAXのモデルは、ヨーロッパ、北米、アジア、オーストラリアでの人口に基づくコホート研究から開発されています。FRAXのアルゴリズムは、10年以内の骨折発生リスクを算出し、10年以内の大腿骨近位部骨折の発生リスクと10年以内の主な骨粗鬆症骨折(脊椎、前腕、股関節部あるいは肩部の臨床的な骨折)の発生リスクが出力されます。算出された確率が15%以上の場合には、骨粗鬆症の治療を開始したほうが良いと言われています。

この評価ツールは、インターネットでも公開されています。http://www.sheffield.ac.uk/FRAX/tool.jsp?lang=jp

ぜひFRAXで骨折リスクを計算し15%以上であれば、是非、骨密度の精密測定を行いましょう。

骨密度測定

当院では、骨密度検査においてDEXA(dual-energy X-ray absorptiometry)法を用いています。
骨粗鬆症は骨の強度が低下し、骨折の 危険性が高くなる病気です。 一般に骨の強度は骨量あるいは骨密度が70%、 骨質が30%影響すると言われています。したがって、骨の強度の重要な要因である骨量を測定することで骨粗鬆症の診断や骨折危険性の評価が可能となります。
現在、様々な骨量測定法があり、各骨量測定法は、測定原理、測定部位、得られる骨量の指標、測定精度、測定時間や被ばく線量などの基本性能が異なります。現時点では腰椎のDEXA法が最も信頼の高い骨量測定法であり、骨粗鬆症診断基準(2011年版)でもDEXA法(デキサ法)を用いて計測することが推奨されています。

二重エネルギーX線吸収測定法(dual-energy X-ray absorptiometry)は、2種類のエネルギーのX線を測定部位に当てることにより骨成分を他の組織と区別して測定する方法です。この測定法では骨量(g)を単位面積(cm2)で割った値で算出し、1cm2当たりの骨量(g/cm2)、つまり骨密度として表現されます。測定する骨は、腰椎、大腿骨頸部などです。誤差が少なく、測定時間が短く、放射線の被ばく量も少ないという利点があります。このためDEXA法は、骨量測定の標準方法として重視され、骨粗鬆症の精密検査や、骨粗鬆症の治療効果の経過観察、また骨折の危険性予測に有用なものです。
当院では、最新のDEXA法による骨密度測定装置を設置しております。

是非、骨粗鬆症の早期発見、治療のために骨密度測定を行いましょう!